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2025.11.28

ソフトウェアの区分は9類?42類?41類?

商標権は商品・役務(サービス)の範囲に限定されますが、その中でも複雑なソフトウェアについて解説します。提供形式によって9類か42類に分かれ、内容によっては41類にも該当する、そんなソフトウェアと区分について詳しく議論しました。

 

1.番組概要

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ商標ラジオ」毎週木曜日22時〜配信📢

2025年11月27日

[ゲスト] 椿特許事務所 所長弁理士 椿 豊

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2.内容や提供形式で変わるソフトウェアの区分 04:49  

ソフトウェア(電子計算機用プログラム)は、ダウンロード型は第9類、クラウドやSaaSのようなサービスは第42類と区分が別れています。区分が変われば出願・登録・更新の費用が変わりますし、先行商標の範囲も変わります。つまり、第9類では登録できるけど第42類では登録できない、又はその逆のようなことが起こり得ます。

 

▼工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕P.1535〜1536[商品とサービスの相違について] https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/kaisetu/kogyoshoyu/document/chikujokaisetsu22/shouhyou.pdf

 

3.ダウンロード型のサブスクは9類か42類か?最新審決と問題点 17:41

元々2つの区分は棲み分けられていたようですが、現実の社会においてどんどん境目が曖昧になってきています。特にダウンロード可能なものの、月額の支払いで解約すると利用・閲覧できなくなるサービスが増えてきました。第9類は商品であり第42類が役務(サービス)である根本に戻ると、ダウンロードできたとしても利用できなくなるならば商品に該当しないという解釈もありそうです。

 

そこで、最新の特許庁の判断例(取消2023-300795)を参照しました。この事件では、まさにSaaS経由でサブスクだけどダウンロードできる場合に商標権者の商品・サービスが第9類「電子計算機用プログラム」に該当するかが争われた不使用取消審判です。特許庁は、第9類に該当するとして、あくまでも形式を優先したようです。一方、第42類にも該当するという判断をしており、要はいずれにも該当するという無難な判断がなされました。日本の特許庁も裁判所も権利を抹消させることに慎重な考えを持っているようであり、不使用取消審判で比較的権利者に緩く解釈される傾向があります。つまり、同じ論点であっても、商標権侵害訴訟であれば異なる判断もあり得ます。

 

▼取消2023-300795の対象商標権

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-2016-016245/40/ja

 

4.人間が提供するサービスがアプリ経由なら9類にも当たるか? 33:00

そもそもアプリ経由のサービスは第9類に該当するのでしょうか。例えば、オンライン英会話ができるサービスであくまでもユーザーは人間と会話できるという場合、それは第41類「知識の教授」に該当すると考えられます。その英会話がアプリ経由でも予約・会話できる場合に解釈が生まれます。アプリは単なる入り口(手段)であり第41類「知識の教授」に付随するのか又はダウンロードして機能させる以上は第9類「電子計算機用プログラム」に該当するのか、若しくは両方に該当するのか、明確ではありません。

 

明確でないがゆえに、安全のために第9類が取得されることが多いです。その結果、第9類には先行商標だらけで登録しにくくなっています。

 

最後に、ソフトウェア(プログラム)やコンテンツ、ゲーム関連の区分と類似群をまとめました。せっかくなので、今回の動画のゲスト椿さん提供のTMアシストでの検索結果画面を張り付けました。カオスすぎる~マジでなんなんこの世界。

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