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2023.12.16

【エセ商標権事件簿】著者の友利さん出演!書籍発売前夜ライブ配信SP

”エセ商標権事件簿”著者の友利さんと話した動画の概要をまとめました。ゆるカワ商標ラジオで紹介した事例を含めいくつかのエセ商標権事件、ユンゲラー事件、アディダス三本線事件、グッチ裕三事件、ENOTECA事件及びELLEGARDEN事件について語り尽くしました。

 

1.番組概要

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ商標ラジオ」毎週木曜日22時〜配信📢発売前夜ライブ配信SP

 

2023年12月14日

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【特別ゲスト】作家 友利 昴(新刊”エセ商標権事件簿”の著者 )

 

2.エセ商標権事件の解説

11:03  ユンゲラー事件

任天堂のポケモンキャラクター「ユンゲラー」に物申したユリ・ゲラーという超能力者がスプーンのみならず色んな事実や感情を捻じ曲げたという傑作話です。友利さんの曲げるに沿ったツッコミが表現上の創作性を発揮しています。

 

21:43 アディダス三本線事件

一休さんのとんちか!?アディダス、3本線、4本線、2本線への警告・異議申立・無効審判—なんと4本線に対しては勝訴!理由は4本で挟まれた空間に注目すると3本線に見えるよね?というとんち理論—この理論を裁判所が認め、エセ商標権ではなかった事件です。その後、アディダス自身の使用が3本線でなく3本線に挟まれた2本線だとEUで判断されブーメラン的にとんち理論で敗訴します。その他、テスラの”三マーク”への差止の要求にあっさり受け入れたイーロン・マスク等、こぼれ話も盛りだくさんです。

 

32:12  グッチ裕三事件

あのGUCCIがグッチ裕三のレシピ本に警告!大人の事情により出版社は使用を止めたという事件でした。最終的に「まいにち裕三 無敵ご飯」というタイトルに変更したという…誰だか分からんわ!

 

37:52 ENOTECA事件

実はENOTECAは「ワインバー」の意味なのですが、この名称が飲食物の提供について商標登録できてしまったのです。そして、「ENOTECA KIORA」という別の飲食店に権利行使したが、認められなかった事件です。「ENOTECA○○」という店は沢山あることが考慮され、商標権侵害でないと判断されました。「ENOTECA」の商標権は、一般人としては一見造語でも実は独占できる範囲は限定的な権利だったのです。ネーミングの選定についても教訓が得られた事件でした。

 

46:25  ELLEGARDEN事件

ファッション雑誌ELLEがロックバンドELLEGARDENに対して、差止・損害賠償請求の訴訟をした事件です。何と東京地裁では類似・混同するとして侵害が認められたのです。知財高裁では具体的な取引の実情が考慮され真逆の判断が下りました(つまり非侵害と判断されました)。「いやぁ、実際間違えないよね」というのが一般人(少なくともELLEGARDENを知ってる人)の感覚ですが、商標のルールに機械的に当てはめると類似という判断になってしまうのも確かです。そして、しっかり主張しなければ負けるという裁判の実態についても話しています。

 

3.”エセ商標権事件簿”の執筆経緯・見所

今回の書籍は、前作”エセ著作権事件簿”では書き切れないパッションが溢れた結果として完成したようです。法律の話というより、独占欲にハマってしまう人間の面白さに注目して欲しいというのが著者の想いです。ですので、実務家のみならず、一般の方にも楽しんでもらえる書籍となっています。裁判にまで至っていない事件が掲載されているところが、実務家である弁理士や弁護士にとって非常に価値のある書籍ですよね。

 

知財系ライトニングトーク #23 拡張オンライン版 2024 冬 の発表でした。

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