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2023.09.07

【AFURI事件】ラーメン店が提訴で商標権侵害!?酒造メーカー吉川醸造との広報・訴訟合戦を解説

1.番組概要

”ほぼ”毎週木曜日22時〜配信📢

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ商標ラジオ」

2023年9月7日

[特別ゲスト] 作家 友利 昴(「職場の著作権対応100の法則」著者)

 

2.商標解説

00:00  場外乱闘!?広報合戦の巧拙

本来裁判で闘うことなのにもかかわらず、被告(吉川醸造)が自社HPで正当性を主張しました!これが巧いのなんのって…読みやすい長さで冷静に書かれており、原告(ラーメン屋AFURI社)が悪質であると印象を持たせる表現が散りばめられています。これを受けてネットで炎上しAFURI社を非難する声が続出しました。先手を打たれたAFURI社、まずは代表者がFacebookでお気持ちを表明したものの、火に油を注ぐ結果になりました。さらに、AFURI社は正式にプレス発表しましたが…

 

12:58  ”ふふふ事件”から見る”類似か否かの判決予想”

今回問題となった「AFURI」と「雨降(AFURI)」が類似するか否かについて議論しています。これについては、色んな意見が述べられていますが、当番組では過去の裁判例に基づく解説をしております!裁判例「ふふふ事件」に従うと、AFURIを小さく雨降の近くに付記している使用態様「雨降(AFURI)」は「AFURI」と非類似となりそうです。

 

19:19  実務者必見!審判・出願戦略を考察

AFURIの商標登録(登録6245408)に対しては、吉川醸造が無効審判と判定の請求をしており、現在特許庁で審理中です。「不使用取消審判がベストな対抗策では?」と思ってしまうのが事情を知らない外野の心理ですが、実際はもちろん証拠や状況次第です。吉川醸造の商標登録についても、吉川醸造の立場で、出願の順序とタイミング等の戦略を議論しています。

 

※2023/11/27追記

商標「雨降」の登録に対する無効審判の審決が2023/9/21に下されました。「AFURI」と「雨降」は非類似という特許庁の判断です。これに対して2023/10/25に審決取消訴訟が提起されています。しかし、吉川醸造が「雨降」のみを使用しているわけではなく「AFURI」とセットで使用しているとしたら、この訴訟の終結によっても今回の問題は解決しないように思います。これに関して、吉川醸造は「AFURI」と「雨降」を組み合わせた商標を出願(申請)済みであり(審査中・未登録)、この審査結果が両社の運命を分けるのではないかと思います。ちなみに、ラーメン屋チェーンのAFURI株式会社は「阿夫利」も商標登録しており「あふり」や「AFURIアフリ」を出願済みであり(審査中・未登録)、商標登録出願合戦が繰り広げられております。

 

3.おまけ

 44:54  炎上現象に物申す!

結局なぜ炎上しているのか?それはズバリ炎上させている人々の無知の無知(最大の無知)にあると思います。「パクってないのに」「(大切な)商品を廃棄させるなんて」「大企業が権利を振りかざして」等の意見は商標制度への誤解が一因です。こうした誤解を解消していくのが専門家の役割だと思います。もちろん、当番組”ゆるカワ❤商標ラジオ”もその役割を担っていると自負しております。

 

商標制度を一般に正しく普及させ、商標で泣く人を減らす!

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