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2024.12.11

興味のままに行動していたら“わらしべ長者的”に話が大きくなっていった件

今年だけで「すしざんまい」と何回言っただろう。誰から頼まれたわけでもないのに、Sushi Zanmai事件について動きまくった一年だったので、年末のこのタイミングにまとめることにした。

 

当初、Sushi Zanmai事件は特に一般にも知財業界でも話題になっていたわけでもなかった。しかし、ネットによる越境知財問題で商標権侵害との判決、しかもそれがあの有名な「すしざんまい」と類似名称の海外店舗に関してとなると、個人的には興味爆上がりであった。そこで、以下の通り自分の番組で共同経営者の弁理士と一緒に解説し弊所ブランデザインHPにも掲載した。

 

2024319日 Sushi Zanmai事件一審(東京地裁)判決言渡

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=92924

 

2024516日 YouTube「ゆるカワ♡商標ラジオ」で地裁判決解説を公開

 

2024517日 ブランデザインHPで地裁判決解説記事を掲載

https://bran-design.jp/topics/case/2450/

 

上記YouTubeの動画で判決にモヤモヤするという意見もあり、色々調べていると田村善之先生の「商標権と属地主義」との論文を見つけた。読んでみると複数の最高裁判決から始まりドワンゴ対FC2特許件侵害訴訟にも触れられ、商標権の審決取消訴訟、WIPO共同勧告まで触れられており、「コレだ!」と思った。もちろん業界では著名な大先生で面識も全くない。尻込みしそうな状況である。だが、情熱はある。そんなことで挫けないほどに自分は商標オタクなのである。

 

そして、思い切って東大HPから辿って直談判したら、まさかのご快諾。またテンションが上がる。収録時に話は盛り上がり、初対面で立場も世代も違うけど、商標オタク友達になれたような気がした(おこがましくてすみません)。せっかくの機会なので、前から気になっていた書籍の執筆についての質問もぶつけさせていただいた。

 

2024822日 「ゆるカワ♡商標ラジオ」に田村先生ご登場!地裁判決について徹底解説&議論

 

2024822日 ブランデザインHPで上記解説記事を掲載

https://bran-design.jp/topics/case/2595/

 

2024827日 「ゆるカワ♡商標ラジオ」で田村先生にインタビュー!田村先生最初の書籍執筆の背景に迫る

 

さすがに大先生の出演に反響があり、商標分野で著名な弁理士である「青木博通」先生に弁理士会の研修で田村先生ご出演回をご紹介いただいた。ガッツリスライドにも「ゆるカワ♡商標ラジオ」のサムネごと掲載されていてありがたい限りであった。その結果、色んな弁理士から連絡が来た。「研修に出てましたね!YouTube観ます!」と。それだけでなく、なんと、マレーシアに滞在中の知り合い弁理士からも連絡があり、現地のSushi Zanmaiのレポートまでいただいた。その後、北海道大学で年に一回開催される重厚なセミナー「北大サマーセミナー(通称)」に登壇された田村先生がご自身のゆるカワ出演回を紹介された。またまたスライドにドーン!さらには、田村先生が書いたSushi Zanmai事件の解説記事にも脚注の1)に「本件のより詳しい解説として」との前置きをして上記ゆるカワ出演回のタイトルとURLを記載いただいている。

 

2024827日 日本弁理士会の研修(青木博通先生)

 

2024831日 マレーシア”Sushi Zanmai”の現地レポート

https://note.com/otamaru_r/n/n17e616f2d2a0

Sushi Zanmaiマレーシア現地レポート会話文

 

2024831日 北大サマーセミナー 知的財産侵害事件における国際裁判管轄・準拠法(田村善之先生)

 

2024927日 田村善之先生論文「TKCローライブラリー新・判例解説 Watch 知的財産法 No.169」

https://lex.lawlibrary.jp/commentary/pdf/z18817009-00-111692507_tkc.pdf

 

そこから1カ月以上経ち、知財高裁の判決が出たとのニュースが舞い込んできた。すしざんまい側の逆転敗訴であった。「これは居ても立っても居られない」と思った僕は、判決日の翌々日には中目黒の知財高裁で記録閲覧をしていた。ネット上で判決文の公開がされる前に判決文を読み、その足で中目黒駅のワーキングスペース(個室)で解説動画の収録をした。そして、その日のうちには、編集・YouTubeで公開し、解説記事をHPに掲載した。「この執念は一体何なんだろう?」と思わなくもないが、自分の中のジャーナリズム精神がそうしたという他ない。

 

20241031日 Sushi Zanmai事件二審(知財高裁)判決言渡

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=93478

 

2024111日 「ゆるカワ♡商標ラジオ」で高裁判決解説を公開

 

2024111日 ブランデザインHPで高裁判決解説記事を掲載

https://bran-design.jp/topics/case/2626/

 

その後、弁護士JPニュースの記者さんから連絡があった。この事件について取材をしたいとの趣旨のご連絡だった。なぜ弊所なのか聞くと「一番わかりやすく詳細に解説されていたので」とのことだった。そりゃそうである、ネット公開前に訴訟記録を閲覧しているのだから。もちろん快諾し、せっかくなので取材の様子を収録・編集・配信してよいかをお願いしたら、OKを貰えた。そうして、無事にニュースにも掲載されたのだが、同じニュースがあのYahoo!ニュースにも掲載されるという点は意識していなかった。ネットニュースでは最も有名であろう媒体に自分の名前と解説が掲載されるのは喜ばしいものである。

 

2024125日 「ゆるカワ♡商標ラジオ」で記者からのインタビューを公開

 

2024126日 弁護士JPニュースに掲載 すしざんまいがマレーシアの「Sushi Zanmai」に逆転敗訴 2審知財高裁が「商標権侵害にならない」と判断したワケ

https://www.ben54.jp/news/1745

 

2024126日 Yahoo!ニュースに同記事掲載

https://news.yahoo.co.jp/articles/a211560afc021dd9b3cde0370e2b2a6701851ccd

Yahoo!ニュース解説部分

 

以上がわたくしオカムラのSushi Zanmai事件にまつわる活動記録である。振り返ると、よくもまぁこんなにやったなぁ…と自分で自分に感心する。なぜなら、この記事のタイトルに“わらしべ長者的”と書いたが金銭面での利益はほぼないのだから。仮に最高裁判決が出たなら、また動き出すことになるだろう。さすがにしつこい気もするが、判決の度に違う論点が出てくる。それだけでなく、話す相手(弁理士、教授、広告マン、記者)が異なると、事前準備や話題の展開、説明の仕方のいずれも全然違う。それが本当に勉強になっているので、止めることはない。

 

知財系 Advent Calendar 2024の記事でした。今年もありがとうございました。 #IP_ACでもなるべく盛り上げていきます。

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