2024.03.28

【友近が！氷川きよしが！】法改正で著名人の商標問題が遂に完結？氏名ブランドも商標登録しやすく！

令和5年の法改正（不正競争防止法等の一部を改正する法律）により氏名の商標登録要件が緩和されました。令和6（2024）年4月以降の出願に適用されます。その改正内容について芸人の芸名やデザイナー名、歌手名等の具体例を用いて解説します。この問題については、これまでもマツモトキヨシ事件に関する記事で解説しております。

１．番組概要

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ♡商標ラジオ」毎週木曜日22時〜配信📢

2024年3月28日

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２．法改正4月施行！氏名の商標登録要件が緩和

11:14 　友近”西尾一男”商標事件、完結？〜２度の拒絶を乗り越えて、遂に段取りできますよ！〜

2024年4月より前に施行中の法律では、同姓同名の他人が存在すると、その人達全員の承諾が必要でした（商標法４条１項８号）。そうすると、他にいそうなデザイナー名などのブランド名は商標登録できないという問題がありました。そこで、厳し過ぎる法律は改正され、緩和されることにより登録しやすくなります（同８号括弧書き）。具体的には同姓同名の「他人」が存在しても有名でない等により登録が可能となります（ただし、有名でない場合でも、出願人に不正の目的がある場合または出願人と出願商標との間に「相当の関連性」がなければ登録できません：政令要件）。

では、これまで弊所で触れてきた”西尾一男”はどうなるのでしょうか。特許庁の審査便覧によると、有名（広く認識されているか）か否かのハードルは低めです。なぜなら「全国紙で複数回取り上げられたりローカルテレビで特集が組まれたりしている」程度の人でも有名と判断される例として掲載されています。また、商品役務が同一でなくても類似でなくても関連性があれば有名と評価されるそうです。とはいえ、これまで拒絶理由通知書で挙げられた友近にとっての他人「西尾一男」達はウェブサイトに掲載されていることが示されているのみであるため、これを前提とすると有名ではないといえそうです。二度の拒絶の理由の詳細を追いかけつつ、友近姉さんに対し三度目の正直となる出願を提案いたします。

31:40 　”吉本興業”の登録商標調べてみた〜ダウンタウン、聖飢魔２、笑い飯、令和ロマンが！〜

友近扮する”西尾一男”や”水谷千重子”—この商標登録の出願人（名義）は吉本興業ではなく「友近由紀子」ご本人です。この事実に疑問を感じた弊所代表岡村が調べて見ると、吉本興業名義の商標登録は存在ものの、案外少ないようです。「ダウンタウン」は多数の区分で登録を持っており、あの「聖飢魔２」、「りあるキッズ」及び「笑い飯」も登録していました。一方、最近のM-1優勝者の「令和ロマン」ならぬ”令和浪漫”が商標登録されているものの、こちらは吉本興業でもご本人の名義でもなさそうです。「まーごめ」を商標登録というギャグ動画を発表していた彼らが何故！？令和ロマンの元のコンビ名「魔人無骨」に戻すべきなのでしょうか。一体、どうなっちまうんだーー！？

38:29 　氷川きよしvs.元事務所、完結？〜元事務所の「Kiina」商標出願に怒りの鉄槌が！〜

氷川きよしの独立阻止のためか所属事務所※が「Kiina」を商標登録しようとしている件は氷川きよしの新芸名商標登録の解説記事にて解説しました。あの話に進展があり、特許庁の審査官は商標登録を拒絶しました。その理由として、著名な芸名の氷川きよし氏の承諾がないことに加え、出願の経緯に社会的相当性を欠き公序良俗に反することも挙げています。審査官の文面に何だか怒りのようなものを感じるのは私だけでしょうか。2024年4月1日以降の出願を同じ審査官が審査すれば、不正の目的（８号の政令要件）があると認定し登録不可と判断しそうに思います。

※現在も所属中か退所済みかは不明です。