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2021.12.31

「Re就活vsリシュ活」訴訟の被告インタビュー

2021年最後の記事です。年の瀬(しかも12/31の18時頃)に何を書いているのだと思われるかもしれませんが、個人的に今年一番の注目事例なので滑り込みでアップします!

 

商標権侵害訴訟の被告代表者の釘崎さんに弊所のYouTube(ゆるカワ商標ラジオ)にご出演いただきお話を伺えました。また、有名な作家の友利さんにもゲスト出演いただきました。以下の動画で見る事ができますが、一部抜粋して本件記事を掲載します。

 

動画1(導入:当事者の自己紹介とこの事件に興味がある理由)

動画2(本編:事件のインタビュー)

動画3(“ハナリー島”のご紹介)

 

事件の概要

「Re就活」の商標権を持つ学情株式会社(原告)が一般社団法人履修履歴活用コンソーシアム(被告)に対して「リシュ活」を使うことの差止(中止)及び損害賠償1億円を請求した事例です。大阪地裁は「リシュ活」が「Re就活」と類似すると判断し、差止の請求及び損害賠償約44万円を認めました(地裁判決の解説はコチラ)。これに対して、被告が控訴し最終的には和解で終了しました。

 

以下は経緯と概要をまとめた図です。

詳しい経緯と和解内容の説明はコチラにあるため、この記事ではかいつまんで紹介します。

 

学生の本文である学業が就職に活かされていない事への問題意識から、履修履歴を就職に活用し勉強した人が評価される世の中にするため、釘崎さんはコンソーシアム(共同事業団体)を設立しました。履修履歴を用いた就職面接のことが「リシュ面」と称されていることから、履修履歴の活用のためのサービス名を「リシュ活」と名付けました。

 

そして、複数の就職エージェントにコンソーシアムへの加盟を打診していく中で学情にも打診したところ、当初、学情のNo.2の方は「リシュ活」のコンセプトに好意的だったようです。ところが、後日、加盟うんぬんの前に名称変更をできないかの相談があったそうです。

 

業界を良くしようと同業者に声掛けしたがために発覚してしまった商標問題。被告に悪意は全くなく、偶然近しい名称になったという事例です。最終的には、被告の勝訴的和解で終了しましたが、訴訟は3年間もかかり、その間コンソーシアムはサービスが提供しにくくなってしまいました。また、商標登録ができた(つまり「リシュ活」が「Re就活」と非類似と判断された)にもかかわらず、地裁の裁判官は類似すると判断しました。

 

この事件を不運な事例と見ることもできます。しかし、商標実務をする弁理士として何をすべきかということを私は考えたいです。

 

教訓1 自社オリジナルのネーミングやロゴでも使えなくなる事態が起こり得る

 

これは、会社、個人事業主、一般社団法人にかかわらず事業者全てが認識すべき教訓です。とにかく初動が肝心です。「リシュ活」の事例もネーミング段階で私が関わることができていれば、このような事態を回避できた可能性があると思います。このような事態を防ぐために、弊所は商標に詳しくない事業者向けに情報発信をしていきたいです。

 

教訓2 商標登録できるかどうか(特許庁の判断)だけでなく、使用できるかどうか(裁判所の判断)まで考える必要がある

 

これは弁理士にとっての教訓です。本件のように、裁判所が特許庁と異なる判断をすることは他にも多数あります。また、元裁判官の弁護士が「商標に関しては特許庁の判断にバラつきが多いのは裁判官(知財高裁)一般に思っているだろう」という主旨のコメントをしています(詳しくはコチラ)。商標登録していれば使える(登録商標の使用の抗弁)というのは通用しない時代に突入していると思います。

 

裁判所の判断というのも、最終的に高裁で勝ったとしても地裁で負けるなら多大な裁判費用がかかってしまいます。弊所は、この点も含めて商標の使用リスクを示していきたいです。

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