INFORMATION情報発信
2021.11.15
オリジナルキャラクターを作ろう
brandesign専属ライターのタイガー小林です。今回も商標に関するお役立ち情報をお届け致します!
個人がビジネスや情報を世界に向けてどんどん発信するようになった昨今、オリジナルキャラクターを作ろうという試みは、私たちの生活においてぐっと身近になってきました。ぱっと目について消費者の記憶に残りやすく、親しみや愛着を抱かせることもできるキャラクターは、文字だけのロゴではなし得ない、大きな経済効果が期待できます。マンガ大国ニッポンとしては是非とも力を入れていきたい分野ですね。
世の中にキャラクターが増えれば増えるほど、当然ネーミングやデザインが相互の権利を侵害し合うリスクも高まります。とはいえ、消費者受けするキャラクターを考えることに精一杯で、商標のことまで気を配っている余裕はない、というのが現状ではないでしょうか。そういう時に役に立つサービスが、こちらの『ネーミング会議』。
https://bran-design.jp/#naming
会議に弁理士が同席し、アイデア出しの段階で商標的に安全であるかを調査しアドバイスするというもの。そして、その雰囲気をほんの少し体感できる(?)のが、こちらの動画。
動画の中では、ゆるカワ商標ラジオのオリジナルキャラクター作りに、私タイガー小林が挑戦しています。オリジナルキャラクター作りのポイントは以下の通りです。
パロディものは避けるのが無難
こちらの『ゆるかわくん』、漫画SLAM DUNKのキャラクター『流川楓』をパロディ化したもの。名前をもじったり、クールでシャープなご本家のイメージをゆるかわいくデフォルメしています。このように、既存のキャラクターの『本質的な特徴が感得できない』デザインであれば著作権的に問題はなく、商標登録も可能な場合もあるでしょうが、『どことなーくあのキャラクターに似ている…!』と世間に後ろ指を指されるリスクは常につきまといます。キャラクターの明るい未来のためにも、完全オリジナル作品で正々堂々勝負しましょう。
国旗は登録不可
『ゆるかわくん』には日本の弁理士界を背負って立つキャラクターになってもらいたい、との願いを込めて胸元に日本の国旗をデザインしましたが、これは良からぬひらめきでした。日本の国旗にとどまらず、あまり知られていない『キリバス共和国』のものであっても登録はできません。似ている場合でも拒絶対象で、イラストに国旗が含まれているだけでも似ていると判断する厳しい例もあります。国旗はその国の象徴でもありますから、軽い気持ちで用いてはいけませんよね。
国家資格と誤解されるような『〇〇士』というネーミングはNG
こちらの『シカ士』、ブランデザイン特許事務所のイメージキャラクターである鹿を弁理士に見立て、特許庁にもお客様にも『しかし…』と適格な指摘ができる弁理士、というイメージでネーミングとデザインを行いました。まさか、この『〇〇士』というネーミングにも危険が潜んでいるとは思いもよりませんでした。実際に『特許管理士』は拒絶を受けています。一方で『おむつ博士』はOK。お堅いイメージの『○○士』に、柔らかな雰囲気の単語を結びつけると、審査も通る上に消費者をクスッと笑わせることもできて、二度おいしくなる可能性大です。
アルファベット表記の名前には、読み仮名を入れておくと安全
こちらの『Loocu』は、ゆるカワ(ゆるい+かわいい)を英語にして、Loose&cuteを略してくっつけたもの。デザインはゆるカワ→緩い皮という発想で、目のTMは商標を意味するTrademarkの略です。私自身は『ルーク』という名前をつけたつもりでしたが、岡村弁理士から『ルック』や『ローク』など複数の読み方の可能性を指摘されて驚きました。実際に、制作側の熱い想いも虚しく、審査官が思いもよらぬ読み方を付与しているケースが散見されます。誤解の芽は始めからしっかり摘んでおきましょう。
キャラクターを見た第三者(=特許庁)が、それをどのカテゴリーに分類するだろうか?という視点に立つ
キャラクターデザインはウィーンコードという名の図形コードが特許庁に付されて審査されます。名前の読み方しかり、制作側はキャラクターに強い愛着がありますので、まさか自身のデザインした熊が、審査官の目に『想像上の存在』として映るなどとは思いもよらないわけですが、そこは冷静な第三者の目が必要。様々な可能性を考慮して、幅広いカテゴリーの図形コードにおいて類似キャラクターを調査することが重要になります。私自身にとっても得体のしれない『Loocu』というキャラクターが、審査官の目にどう映るか個人的には非常に気になります。
以下は図形コード・検索画面・検索結果の一例(ゆるかわくんにて)
まとめ
以上のことからも、商業的な戦略を練りつつ上記のポイントを考慮するのは、やはり難しそうですね…。キャラクターが決まってから商標的にNGと却下されるのは、経費や時間のロス、精神的ダメージも大きいと推察されます。作成プロセスの段階でプロにアドバイスをもらいながら作品を完成させことができれば、それが最も効率的ではないでしょうか。
この『ネーミング会議』遂行中に岡村弁理士は、これぞまさに天職だ!と感じられるようです。その実力のほどを是非一度お試し下さい!
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