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2024.04.21

【著作権?肖像権?】違法性の境界と著名人のキャラデザ問題

芸能やキャラデザの権利関係を解説します。その人物の知名度や使い方によって問題となる権利の種類が変わります。また、一つの写真やイラストでも見方を変えれば、著作権、肖像権又はパブリシティ権の侵害になり得るという複雑怪奇な議論をストⅡやワンピース等の身近なテーマで解説しています。

 

1.番組概要

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ商標ラジオ」毎週木曜日22時〜配信📢

2024年4月18日

[ゲスト]法律系Vtuberじゃこにゃー

 

2.漫才のフォーマットに著作権はない?

00:00 ギャグと著作権に関する解説記事の件で紹介した「ギャグと著作権」のテーマに強い関心を持つじゃこにゃーさんと、このテーマで深掘りしていきます。ミルクボーイやブラマヨの漫才のフォーマット(形式)に著作権はない話から始まり、著作権で守られなくとも基本的にパクらない芸人の性質にまで話まで議論を展開しています。

 

3.法廷画事件~容疑者を描いたイラスト掲載の可否~

09:37  和歌山毒物カレー事件の被告人の法廷での様子を描かれたイラストを週刊誌に掲載した行為が問題となった事件です。顧客吸引力ではなく、肖像権とも名言されず、不法行為法(民法709条)の違法性を有するか否かという視点での判断が下されました。最高裁にの判断手法によると、諸般の事情を総合考慮した上で対象者の「人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうか」が基準ようです。 手錠、腰縄により身体拘束されているイラストについては違法性あり、そうでないイラストについては違法性無しと判断されました。

 

▼法廷画事件(最高裁平成17年11月10日、平成15(受)281) https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52388

 

4.著名人モチーフのキャラデザ問題

18:57 ストリートファイター”ノリマロ”

仮にノリマロを第三者が利用した場合どうなるのか問題を再び語ります。モデルとなったノリさんご本人を特定できなさそうなので専ら顧客吸引力の利用するとはいえなさそうです。一方、広告などで特定できるような要素が加わったらどうなるのか、また、本人が描かれたくないような描き方をした場合不法行為法上どうなるのかを3.の最高裁の基準を踏まえて空想しています。

 

30:37 ワンピースの”三大将”

人気漫画「ONE PIECE」に出てくる三大将は実在する著名人がモデルになっているという話はよく聞きます。これについてはパブリシティ権はあまり問題にならなさそうだと思う一方で、3.の人格権の観点では問題になりそうだという議論になりました。特に、黄猿と赤犬とで結論が変わるかもしれないという点は興味深いです。

 

5.一般人の写真のイラスト化問題

36:26  写真素材のサンプル画像を参照して描いたイラストを同人誌に掲載した行為について裁判で争われた事件を紹介します。写真の著作権の発生は比較的認められやすい傾向があり、本件でも著作物性は認められました。一方、本質的特徴を直接感得できないとして、類似性は否定されました(翻案権侵害でなく不問)。写真の著作物における特徴部分を変更していたことによります。さらに一歩進んで、このイラストがいわゆる肖像権の侵害訴訟だったらどうだったかを議論しています。

 

▼コーヒーを飲む男性事件(東京地裁平成30年3月29日、平成29(ワ)672等) https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87634

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