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2021.07.29
twitterと周知性(マリカー その3)
マリカー事件はこれまでもbrandesignのウェブサイトで紹介してきたが、今回は最終章といえそうだ。過去の記事は以下のとおり。
マリカー事件の侵害訴訟の判決が知財高裁で出され、最高裁が上告審不受理の決定を下した。
ではこれ以上何を紹介するのかというと、実はこの最高裁の決定が下される約2ヶ月前「マリカー」の商標登録は無効審判にて無効とされた。その1のとおり、特許庁では既に異議申立の審理にて商標登録が維持された。これは「マリカー」が周知でないという理由による。しかし、無効審判では真逆の結論となり「マリカー」が周知と判断されたのだ。
異議申立と無効審判とで判断が異なる事は少なくない。これは主張や証拠の違いや審理構造も影響している。本件の「マリカー」では裁判所の判断(異議申立後になされた)も影響していると思われる。無効審判では様々な事情が周知性の認定のために考慮されているが、筆者が特に興味深かったのは以下のTwitterに関する資料が考慮された点である。
(a)「マリカー」の語を含む多数のツイートがなされていること
本件商標の出願日前日では一日当たり約600件にも上り、「マリオカート8」の発売日には一日当たり約3000件にも上った
(b) Twitterのアンケート機能
質問1 「あなたはマリカーがなんのゲーム名の略か知ってますか?」
95%が「知ってる」と回答(回答者数3万6246人)
質問2 「あなたは『マリカー』と聞いて、任天堂のレースゲーム『マリオカート』を連想しますか?」
94%の回答者が「はい」と回答(回答者数684人)
これは画期的な気がする(質問方法の是非は置いておいて)。今後、Twitterのアンケートが審判などで利用される事が増えそうである。資料を取り寄せてみようかなぁ…
なお、Twitterのアンケートについて興味のある方は過去の「勝手にアンケート(ドクターシーラボ商品形態)の記事もご覧いただきたい。
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