Vol. 24(MONTAGNE.) | 事例研究 | brandesign-ブランデザイン-|商標と意匠専門の弁理士事務所

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2020.02.09

Vol. 24(MONTAGNE.)

平成30年(行ケ)第10035号(知的財産高等裁判所判決)

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MONTAGNE. MONTAIGNE

第18類

かばん類、ハンドバッグ等

 

1.結果

外観と称呼が紛らわしいとして、商標が類似すると判断された(商標法4条1項11号)。

 

2.概要

特許庁の異議申立において、商標登録取消決定がなされた。これに対して商標権者が審決取消訴訟を起こしたが、特許庁の判断は覆らなかった。裁判所の判断は、概ね以下のとおり。

 

(1)外観

両商標は、「.」「I」を除いて、同じアルファベットを同じ順序で並んでいる。また、「.」、「I」及び書体の相違点については、以下の理由で看者の印象に残りにくい。したがって、両商標は外観が相紛らわしい。

 

「.」は末尾に付され小さい

「I」は6文字目で他の文字より幅がかなり狭い

書体は普通に用いられるもの

 

(2)称呼

両商標は、ローマ字読み及びフランス語風読みの称呼が生じる。「モンタグネ」と「モンタイグネ」は、全体の語調及び語感が近似したものとなる。また、「モンターニュ」と「モンテーニュ」は、全体の語調、語感が著しく近似したものとなる。したがって、称呼も相紛らわしい。

 

(3)観念

両商標には異なる意味がある。しかし、需要者が一般にフランス語を理解するといえないため、需要者は、両商標を観念のない造語と理解する。したがって、観念は比較できない。

 

3.コメント

文字商標の外観が「相紛らわしい」と判断された。一般的に、文字商標における外観は、称呼や観念の補助的な要素と扱われ、「近似した印象を与える」という程度の判断しか示されないことが多い。本件は、文字商標において、外観単独での類似性が肯定された点で参考になる。

また、称呼が類似でも(同一ですら)、商標全体として非類似という審決例及び裁判例が近年増えてきた一方で、本件では称呼類似に基づいて商標全体の類似性が肯定された。この点は、実務において注意すべきである。

さらに、称呼の認定についておもしろい判断がなされた。需要者はフランス語の意味を理解できないとしつつも、称呼についてはフランス語風のものも生じると認定された。アパレル業界では、フランス語由来の商標の使用が普通に知られているから、Champagneなどの綴りと発音の一般的知識を手掛かりに、フランス語風の称呼も生じる、という理由である。

 

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