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2024.05.24

【文春の取材状況をそのまま公開SP】氷川きよしvs.元事務所?”Kiina”商標問題

長良プロダクションが氷川きよし氏の芸名「Kiina」を商標登録しようとしている件について「週刊文春」の記者の方から私岡村が取材を受け解説しました。記事の一部は文春オンラインで読めますが、岡村の解説を含むフルバージョンは紙雑誌または電子版の有料限定のようです。岡村の解説の一部を以下に抜粋しております。

Kiina文春表紙記事抜粋

特許庁は氷川氏の承諾がないことのみならず、不正の目的まで指摘し公序良俗違反も拒絶の理由にしました。これについては、過去にも氏名に関する商標法改正の記事で解説しておりますが、それを踏まえて記者さんからの更なる鋭い質問がありました。これに対して、岡村が特許庁審査官が下した背景や心理まで深掘りし解説しております。

 

1.番組概要

複雑に入り組んだ商標業界に緩やかなメスを入れ、様々な謎や疑問を優しく究明する「ゆるカワ♡商標ラジオ」”ほぼ”毎週木曜日22時〜YouTube配信📢

2024年5月23日配信

【特別ゲスト】 株式会社文藝春秋「週刊文春」記者A

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2.商標解説

▼ポイントは「承諾」の有り無し

他人の著名な芸名を商標登録しようとすると「承諾」が求められます。たとえタレントの所属事務所が出願人(商標登録の名義人になる者)であっても、法律上は別人のため「他人」という扱いになります。本件では元所属事務所の「(株)長良プロダクション」は「Kiina(氷川きよし氏)」にとって法律上他人です。このため、特許庁は拒絶理由を通知し氷川氏の承諾がない限り登録不可と判断しました。今後当事者間で争いになるとすれば、芸名「Kiina」が著名か否か及び元所属事務所と氷川氏との間で承諾があったか否かでしょう。特に後者については、氷川氏が事務所所属時代に何らかの契約を締結していた場合、芸名についての何らかの規定があった場合、それが「承諾」に該当するのかどうかが問題になりそうです。

 

▼公序良俗違反とまで言い放った審査官

今回、特許庁の審査官は文春の記事に基づいて相当踏み込んで「不正の目的」を認め、公序良俗違反の拒絶理由を通知しました。著名なKiinaから承諾がないという拒絶理由だけでも登録不可なのにもかかわらず、審査官は公序良俗違反の拒絶理由を示しています。その背景には、著名でない等の反論が長良プロダクションから出された場合に登録することへの懸念から来ているとうかがえます。昨今の商標登録を認めたことによる炎上問題や審査官が責任を負い切れないと考える心理も影響していると岡村は推察しています。

 

▼事務所の反論内容と今後の展開を予想

事務所は意見書を提出し反論しているようです。この反論内容は現在閲覧不可となっていますが、考え得る反論内容としては、長良プロダクションと氷川氏との関係に応じて以下が考えられます。

 

(1)両者の関係が悪い場合

「Kiina」が著名でないことを使用期間や露出具合から反論することが考えられます。また、氷川氏が事務所所属時代に何らかの契約を結んでいた契約書の内容によって「承諾」があったと主張することも推測できます。

 

(2)両者の関係が良い場合

氷川氏が現時点で商標登録に承諾していることや長良プロダクションに不正な目的がないことを確認するような宣誓書の提出が考えられます。なお、後者の確認の記載がないとしても、前者の「承諾」があれば、改訂後の商標審査便覧に準じて不正の目的がないと推認される旨の主張もあり得ます。

 

▼氷川きよしが次に打つべき手とは

仮に氷川氏が過去に承諾書にサインしてしまっているとしても、現在氷川氏が長良プロと揉めているのであれば、氷川氏が商標登録を阻止する手段はあります。承諾の撤回書を提出することです。具体的には、刊行物等提出書という書類に撤回書を添付して特許庁に提出するという手段(いわゆる情報提供)です。特許庁の査定時までに提出すれば、撤回が認められる旨を最高裁が判断しているためです。

 

3.おまけ

33:57  取材の裏側トーク(アシスタント:野人・岡野)

取材に至った経緯や取材の形式や時間等の裏側をお話します。実は、記者さんは氷川氏のファンの方からの情報提供により弊番組「ゆるカワ❤商標ラジオ」を知っていただいたようです。そして、過去のKiina商標の解説をご覧になり、今回の取材をご依頼いただいたとのことでした。数年間地道にやってきた甲斐がありました。

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